公的統計ミクロデータ研究コンソーシアム
アンケート 集計結果
アンケートの趣旨
本コンソーシアムでは、公的統計ミクロデータを利用した研究に関心のある研究者を対象に、コンソーシアム会員向け・一般向けの2回に分け、
公的ミクロデータに対する利用意向、利用状況に関するアンケートを実施しました。
お忙しい中、回答のご協力をいただいた方々におかれましては、厚く御礼申し上げます。
ご回答いただきました貴重なご意見は、本コンソーシアムの活動への反映の他、関係省庁にも共有し、今後のオンサイト利用施設の整備等にも活用予定です。
調査方法
- 実施期間:
【会員向け】2020年10月6日(火)~11月1日(日)
【一般向け】2021年5月11日(火)~6月11日(金)
- 実施対象:
【会員向け】公的統計ミクロデータ研究コンソーシアム個人会員(73名)
【一般向け】公的統計ミクロデータを利用した研究に関心のある研究者
- 方法:
Googleフォーム回答によるオンラインアンケート
- 実施広報:
コンソーシアム公式ウェブサイトからの告知
【会員向け】会員向けメーリングリストによる依頼
【一般向け】下記メーリングリストへの案内送付
- Stats ML
- 日本統計学会
- 応用統計学会
- 経済統計学会
- 質問内容:
- 公的ミクロデータの利用状況
- オンサイト利用施設の利用意向
- オンサイト利用の経験
- コンソーシアムへの要望
- 回答数:
【会員向け】24名(約33%)
【一般向け】26名
アンケート結果(サマリー)
公的ミクロデータの利用状況
- 研究で公的統計を利用したことがありますか?(複数選択可):会員向け
|
回答項目 | 回答数 |
e-Stat等で公表されている統計表 | 18 |
オーダーメイド集計表 | 4 |
匿名データ | 12 |
調査票情報 | 13 |
その他 | 2 |
- 教育で公的統計を利用したことがありますか?(複数選択可):会員向け
|
回答項目 | 回答数 |
e-Stat等で公表されている統計表 | 18 |
オーダーメイド集計表 | 1 |
匿名データ | 2 |
一般用ミクロデータ | 5 |
その他 | 2 |
オンサイト施設の利用意向・利用経験
- オンサイト施設を利用したいと思いますか?:会員向け
|
回答項目 | 回答数 |
はい | 21 |
いいえ | 2 |
- オンサイト施設を利用したことがありますか?:会員向け
|
回答項目 | 回答数 |
はい | 10 |
いいえ | 13 |
- どの地域にオンサイト施設の設置を希望しますか?:一般向け
|
回答項目 | 回答数 |
南関東(千葉、東京、神奈川) | 11 |
北関東(茨城、栃木、群馬、埼玉) | 5 |
北九州(福岡、佐賀、長崎、熊本、大分) | 5 |
北海道 | 4 |
南東北(宮城、山形、福島) | 4 |
関西(滋賀、京都、大阪、兵庫、奈良、和歌山) | 4 |
甲信(山梨、長野) | 3 |
中国(鳥取、島根、岡山、広島、山口) | 2 |
北東北(青森、岩手、秋田) | 1 |
北陸(新潟、富山、石川、福井) | 1 |
東海(静岡、愛知、岐阜、三重) | 1 |
四国(香川、愛媛、徳島、高知) | 1 |
南九州(宮崎、鹿児島) | 0 |
沖縄 | 0 |
回答なし | 4 |
<参考:新規に設置されたオンサイト施設>
13箇所(2021年2月)→18箇所(2022年7月) 東北大学、東京大学、岡山大学、香川大学、長崎総合科学大学
公的統計 ミクロデータ利用ポータルサイト(miripo)オンサイト施設一覧(別ページが開きます)
- オンサイト利用制度に関する要望:会員・一般向け 抜粋
- 自分で作成したプログラムや関連資料(磁気媒体)等の登録手順の簡素化
- オンラインでオンサイトに接続したい。職場から時間がかかるため、まとまった時間が取れない限り、十分な分析は厳しい
- 本格的なデータ利用の申請前に、実際のデータを閲覧できるような体制を整えて欲しい
- 申請から利用開始までの期間の短縮
- 利用申請を検討する前の時点でのハードルが若干高い
- 読み込み部分を含むデータ・ハンドリング部分に関わるチュートリアルの機会
- 申請内容の簡素化、具体的な利用料金の提示、審査内容の簡素化
- マシンスペックを上げて欲しい
- 利用日時の自由度
コンソーシアムへの要望
- コンソーシアム主催のシンポジウムで取りあげて欲しいトピックはありますか?:会員・一般向け 抜粋
- 擬似データ
- 最新のデータ利用の動向
- 匿名データ・調査票情報の利活用事例
- 研究者の利便性向上のための改善に対するテーマ
- 公的統計同士の関係性
- 具体的な(疑似)個票データの読み込み部分からを含むチュートリアル
- オンサイト利用の効率的なやり方
- データベースの突合方法
- 研究事例とミクロデータでなければならなかった理由の説明
- 具体的に得られる詳細データの解説
- オンサイト利用をした研究の成果の事例発表
- 公的統計のオープンデータ化の促進
- 匿名化データを最新版に、匿名化データと教育
- 経営学、マーケティングなどの分野での利用に関するもの
- 諸外国における二次利用の動向について
- コンソーシアムに期待するサービス:会員向け
|
回答項目 | 回答数 |
利用者の視点に立った、ミクロデータに関するより具体的な利用方法やメリットなどの情報提供 | 17 |
オンサイト利用に関する体験談やアドバイスなどの情報提供 | 10 |
オンサイト利用の申出手続きに関するチュートリアル | 11 |
公的ミクロデータのデータ分析に関するチュートリアル | 13 |
教育・プログラムテスト用の擬似的なミクロデータの作成と公開 | 11 |
分析プログラムのリポジトリの公開 | 3 |
新規分科会の設置 | 2 |
意見交換のためのユーザー会の開催 | 8 |
その他 | 1 |
概要
- 回答者の多くe-Statの利用経験あり。また、回答者の半分弱が調査票情報の利用経験あり
- 利用者が使う分析手法は、記述統計、グラフ可視化、回帰分析、多変量解析等との回答が多かった
- 選択肢として提示した基本的な統計量は多くの回答者が作成すると回答
- 利用数が多い調査票情報は、国勢調査、全国消費実態調査、社会生活基本調査。ただし、匿名データでは、全国消費実態調査、社会生活基本調査の利用数が多い
一方で拡大アンケートでは「利用したことがない」という項目を追加したところ回答も多かった
- 利用する分析ソフトは、Excel, RStudio が多数であり、オンサイト施設の利用環境とも一致。これに加え、SAS、Stata, SPSSも使われている
- 回答者の大部分がオンサイト施設の利用意向あり
- 統計センター、情シ研、一橋大といった都内施設の利用意向が多い。続いて関西圏の京都大、大阪大。
利用希望者・回答者の所属地域分布の影響もあり
- オンサイト施設の設置希望は、南関東が最多。北海道、南東北、北関東、近畿、北九州への設置要望も多い
- オンサイトで利用したいデータとしては、利用経験の多かった全消、社会調、国勢調査に加え、経済センサス、家計調査、労調、住土調の利用意向も多い
- 事前の情報提供の要望については、選択肢として提示したつの事項は、いずれも情報提供の要望が多い
- オンサイトの利用経験については、会員向けが4割ほどの利用経験ありだったのに対し、一般向けでは2割ほどだった
- オンサイトの利用開始までの所要時間が3ヶ月以上という回答が複数ある。また申請手続きの書類の作成、やり取り等が大変であったという意見が多くあった
- 一般向けアンケートでは、コンソーシアムイベントに参加したことのないという回答者も多く、広報展開の強化により、潜在的な参加者の掘り起こしも可能
- 現状、コンソーシアムに対しては、ミクロデータ/オンサイトの利用に関する情報提供、ミクロデータの具体的な利用方法(チュートリアルの開催)、
利用体験等に関する情報提供が期待されている
実施結果詳細
会員向けアンケート結果詳細 (別ページが開きます)
一般向けアンケート結果詳細 (別ページが開きます)
最後に
本コンソーシアムでは今回のアンケートの結果を受け、今後も更なる公的統計ミクロデータの利活用推進に取り組んで参ります。
コンソーシアムの活動
- シンポジウム開催
2020年:統計行政とEBPM、ミクロデータのデータ結合と利用技術、オンサイト利用に関するチュートリアル
2021年:公的統計と統計教育、統計データの高度利用に関する研究、オンサイト利用に関するチュートリアル
2022年:わが国のデータインフラ整備・データベース化、オンサイト施設運営に関するチュートリアル 他
※2022年のシンポジウムは11月25日(金)に開催予定。詳細が決まりましたら本ウェブサイトでお知らせします
- オンサイト利用に関するチュートリアル動画制作
「統計データ利活用センターにおけるオンサイト利用推進の取組」
総務省統計局・独立行政法人統計センター 統計データ利活用センター 赤谷俊彦
「オンサイト利用による分析結果等の安全性確認における注意と事例」
独立行政法人統計センター 統計情報提供課 阿部 穂日
- NewsLetter発行
本コンソーシアムや公的統計ミクロデータに関するの情報を年2回発信
- ワークショップの実施
今年度は初の試みとして、擬似的なミクロデータを用いて実習を交えたワークショップを実施予定