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公的統計ミクロデータ研究コンソーシアムの紹介

はじめに

公的統計ミクロデータ研究コンソーシアムは、国が実施する公的調査で収集された個人や企業に関する 公的ミクロデータを学術研究に利用するために、様々な活動を行っています。

このページでは、人に優しいデジタル化の実現を目指す 「デジタルの日」 の趣旨に賛同し、このコンソーシアムの活動をできるだけ分かりやすく紹介したいと思います。

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なぜコンソーシアムが設立されたか?

我が国では、社会の状況を把握するために国勢調査、家計調査など、 さまざまな公的調査を定期的に実施しています。 調査の結果から、調査対象である個人・企業の単位で編集されたミクロデータ(調査票情報)が作成されます。 このミクロデータは国の行政機関において政策立案を行う際の基礎資料にして利用されます。
またミクロデータを集計した統計情報は、我が国の社会経済情勢を多様な観点から示す有益な情報と位置づけられ、 国民全体で共有するため 「政府統計の総合窓口(e-Stat)」で公開されています。

このような統計情報の公開は平成19年に60年ぶりに改正された新統計法において、 公的統計は社会全体で利用される情報基盤として位置付けられたことに対応した取り組みです。

さらにこの新統計法の枠組みでは、 ミクロデータを行政以外の目的で学術研究に利用するための制度 の整備も進められてきました。
しかし、これらの制度の利用手続が煩雑であったり、これまでミクロデータを利用した研究を行う研究者が少数であったため、 なかなかミクロデータを利用した学術研究が広まっていませんでした。

そのような状況を改善するため、公的なミクロデータを学術研究に利用する大学、研究機関の研究者とミクロデータを提供する政府の関係機関が共通の問題意識のもとに連携し、 2017年に公的統計ミクロデータ研究コンソーシアムが設立され、ミクロデータ利用の啓蒙活動、制度改善の提言等の活動に取り組んでいます。

公的統計ミクロデータ研究コンソーシアムとは

コンソーシアムはどのような組織ですか?

このコンソーシアムの会員は現在81名です。 会員は、ミクロデータを利用した学術研究を行う研究者と、ミクロデータの利用に関する制度の策定とその運用を担当する政府機関の担当者から構成されます。 つまり、ミクロデータの利用者(研究者)と提供者(政府機関)が緊密に連携して、ミクロデータの利用の推進に取り組むための組織です。 本コンソーシアムの組織体制を以下で説明します。

コンソーシアムの組織体制

評議会はコンソーシアムの意思決定機関であり、公的統計の分野の有識者12名の 評議委員で構成されます。 議長は情報・システム研究機構 藤井良一機構長が務めています。
評議会ではコンソーシアムの活動,規則,会員の認定等の重要な案件を審議・決定します。

この評議会の方針を受け、運営委員会ではコンソーシアムの実際の活動内容を議論し、実施しています。 運営委員会は,学と官の運営委員でバランスよく構成され、 両者の緊密な連携のもとに効果的にミクロデータ利用を推進する活動を行っています。

また特定の技術的なテーマを議論するために分科会を設置し、コンソーシアム活動への反映,会員への情報提供などを行っています。 事務局は データサイエンス共同利用基盤施設社会データ構造化センターに設置されていて、コンソーシアム全体の事務を担当します。

コンソーシアム自体の組織体制は以上となりますが、このコンソーシアムの大きな特徴は、 我が国の公的統計に関する外部の重要なステークホルダーとの緊密な連携している点です。
公的ミクロデータの提供を担当する総務省の政策統括官(統計基準担当),統計局,統計研究研修所と(独)統計センターといった政府機関と コンソーシアム会員との間に意見交換の場を提供し、データの利用者側の要望を効果的に伝える仕組みの整備を進めています。

また公的ミクロデータの利用を進めるために技術的な課題を解決する必要もあるので、コンソーシアム会員が主要メンバーとなり、 科学研究費補助金基盤研究A「公的統計ミクロデータを活用したEBPM支援研究プラットフォームの構築」(研究代表者:椿広計 統計数理研究所 所長)に参画しています。 この研究プロジェクトでは、公的ミクロデータの研究利用を推進に不可欠な、ミクロデータを使いやすい形に構造化する技術、 安全なデータ分析を行うためのプライバシー保護技術の研究を行っています。

コンソーシアムはどのような活動をしていますか?

これまで主に、公的ミクロデータの利活用を推進するための啓蒙活動に取り組んできたました。2016年以降、シンポジウムを年1回開催し オンサイト利用を中心に公的統計の行政制度の最新動向と公的ミクロデータを利用した研究事例を紹介しています。

★過去のシンポジウムのプログラムはこちらからご覧になれます。

特に最近は、オンサイト利用に関するチュートリアルを実施し、その中で制度の概要,利用手続き、 データ持ち出しの際の秘匿処理といった実践的な内容を解説しています。

また公的ミクロデータの利活用に関する研究コミュニティの形成のため、毎年9月に開催される統計関連学会連合学会において、 データベース結合、EBPM、プライバシー保護等の公的統計の利用に関する基礎技術をテーマとする 企画セッションを実施してきました。
また統計数理研究所 公募型共同利用 共同利用集会として、(独)統計センターが主催となり研究集会 「官民オープンデータ利活用の動向及び人材育成の取組」 を毎年11月に実施し、公的ミクロデータの利用事例の発表の場を提供しています。

公的ミクロデータの研究利用の普及には、基礎研究を必要とする技術的課題が多く残っています。 2016年度に開始した科研費プロジェクト「政府統計ミクロデータの構造化と研究利用プラットフォームの形成」では、 コンソーシアムのメンバーが研究分科会に分かれて下記のサブテーマの研究に取り組んできました。 そして毎年1,2回研究集会を開催し、各分科会の研究成果をプロジェクト内外の公的統計の研究者と共有しています。

■プラットフォーム分科会
オンサイト利用では、物理的セキュリティが確保されたオンサイト施設に設置された分析用端末から国立情報学研究所が運用する学術情報ネットワーク SINET経由で 中央データ管理施設に格納されたミクロデータにアクセスしてデータ分析を行います。

この分科会では、オンサイト拠点の試行運用時に、セキュリティ・利便性・コンプライアンスに関する研究を行い、 オンサイト拠点を稼働させる際の技術的支援を行いました。 また現在は、研究者が分析結果をオンサイト施設から持ち出す際に必要な 調査客体のプライバシー保護のための秘匿処理技術の研究を行っています。

■データ構造化分科会
公的統計の編成に関するプロペンシティスコアや確率的マッチングに関する基礎的研究を推進するとともに、 総務省統計局や(独)統計センターにおけるプロペンシティスコア実務への適用に対する技術的支援を行っています。

■データ普及促進分科会
オックスフォード大学を始めとする海外機関への訪問調査を継続実施するとともに、 研究会等の学術交流運営や利用者意識調査等を実施しました。 またオンサイト利用以外のミクロデータ利活用技術としての秘密計算処理、二次秘匿処理技術の公的統計への実装可能性を検討しています。

また会員側から官側に意見を伝える機会を提供するため、コンソーシアム会員に対しアンケートを実施しました。 アンケートでは、公的ミクロデータの利用状況、利用を希望する調査票情報、オンサイト施設利用の意向および使用経験に関する質問を行いました。 このアンケートの集計結果は今後公開予定です。

今後どのような活動を行いますか?

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今年度のシンポジウムを11月19日(金)に開催しますので、是非ご参加ください。 今回は「デジタルの日」の趣旨に賛同し、統計教育をテーマにした講演を行う予定です。 シンポジウムの詳細はこちらのページをご覧ください。
★公的統計ミクロデータ研究コンソーシアムシンポジウム2021(リンク)

その他、現在コンソーシアムでは、下記の活動を企画検討しています。



最後に

このコンソーシアムのついて、ご要望、ご質問があれば下記のメールアドレスまでお気軽にお問い合わせください。

コンソーシアム事務局メールアドレス: office@jmodc.org

今後ともどうかよろしくお願いします。

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